コラム

  • 2021.07.28
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夢はとまらない:翻訳の神様、勝田会長、安らかに

日本翻訳連盟の創始者であり、株式会社十印の創業者である勝田美保子氏が7月20日に亡くなられたとの知らせを受けた。93歳だった。

1963年、前回の東京オリンピックの前にタイプの会社を起こし、その後、翻訳、国際会議、機械翻訳など、常に時代のニーズに応える仕事に取り組んでこられたすごい方である。英語教師、結婚、退職、出産、専業主婦、という当時の王道を歩まれたのに、30代でその座を捨て、流れる川に飛び込まれたような人生だ。翻訳連盟でのご活躍はもとより、十印の社長、会長在任時には、個人的にも多くの指南をいただいた。

とても軽い花柄のおしゃれな折り畳みの傘をいただいたことがある。仕事柄、歩き回るのに、傘が重いのは大変でしょう、という心配りである。

私が京都で主催した「第28回翻訳祭」には東京から駆けつけてくださり、文化勲章が決まった長尾真先生との懇親会でのツーショット(日本翻訳連盟所有)が忘れられない。

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JTFジャーナル2019年1月号11ページにも。https://webjournal.jtf.jp/back-number/

どんなときにも、大好きよ、仕事しなさいよ、って、どれほど励まされ、勇気をいただいたかわからない。私を褒めてくださる唯一の人だった。いつもおしゃれで、最近背が低くなってね、って笑われる。女性の真の強さが伝わってくる。

コロナの前、2020年1月、ASCAの25周年イベントにもゲストで駆けつけてくださった。素晴らしいお花をお贈りいただき、機械翻訳を引っ張る隅田先生との写真は思い出深い。

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94歳の私の母と通じる部分が多く、この時代を生き抜くすさまじさに頭が下がる。

エピソードは数知れず、話題の人だった。だまし、だまされ、それでも人への愛はいつも深い。だから皆が勝田さんのファンである。創業期を紹介するこのブログは興味深い。https://to-in.com/blog/1293 きれいで、おしゃれ、聡明、恋多く、その上仕事もできる、そんな女性はそういない。NHK朝ドラでドラマ化したい、と放映を真剣に願っている。関係者の方がいたら教えていただきたい。

あの世から、石岡さんくじけるな!って励ましてくださる声が聞こえる。ある人に渡された手書きの付箋紙のメッセージが素敵だ。

今日を知ろう
明日を語ろう
未来を創ろう
夢はとまらない
気が付いたら日本一、
世界一

最後まであんなふうに凛と生きたい、と願うのは私だけだろうか。

本当にお疲れ様でした。天国で、美味しいお酒を楽しみながら、私たちと業界を見守っていてください。

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